「バレンシアガ」のスタイリスト、ロッタが東コレに 念願の「ジェニー ファックス」を手掛ける
シュエ・ジェンファン(Shueh Jen-Fang)が展開するウィメンズブランド「ジェニー ファックス(JENNY FAX)」が2019年春夏シーズンの「アマゾン ファッション ウィーク東京(Amazon Fashion Week TOKYO)」のトリを飾った。スタイリングはデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)による「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や「ヴェトモン(VETEMENTS)」を手掛けるロシア人のトップスタイリスト、ロッタ・ヴォルコヴァ(Lotta Volkova)が担当した。
8年前に「ジェニー ファックス」を知り「とても気に入った」というロッタは、当時撮影でリースしたブランドの服を買った経緯があるという。それから月日が経ち、今春の来日時に「ジェニー ファックス」の展示会を訪れたロッタが「次のショーでは私にスタイリングをさせて」と直談判。ジェンファンは「初めは信じていなかった」というが、ロッタは本気だったという。
コレクションは、“怖カワイイ”がベースだ。殺人鬼のいるアメリカの田舎町や、昨シーズンから継続するお母さんの服や、太った女性のオーバーサイズの服に着想源を得たという。ファーストルックは肩の張ったピエロの衣装のような黒いジャンプスーツ。ハンカチを頭に乗せてミステリアスな可愛さを表現する。またレトロな花柄やアニマル柄のガーリーなパフショルダードレスやブラウスに、血の付いた指のヘアクリップ、ちぎれた耳をかたどったブローチ、入れ歯のヘアクリップなどを合わせて、ホラー的な要素を掛け合わせる。
ロッタのフェティッシュなアイデアが入ったスタイリングも目立った。オーバーサイズのシャツドレス上に、ゴムが伸びきったレース付きのショーツを股から肩にかけて、ドレスをパンツのように着こなす新提案。ガーリーなパフスリーブの花柄ドレスは、ウエスト部分のボタンを開けておへそチラ見せすることで、野暮ったさをセンシュアルに変える。
「ジェニー ファックス」は普段から日本人モデルを多く採用しているが、今季も半数は日本人をキャスティングした。その内の2人はロッタがインスタグラムで募集し選んだという。
ロッタはバックステージで「10代の頃から日本のブランドが好きで、『コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)』『ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)』『アンダーカバー(UNDERCOVER)』『ナンバーナイン(NUMBER (N)INE)』などに大きく影響を受けてきた。だけど、今の日本のブランドはコンテンポラリーになり過ぎていると感じる。だから、『ジェニー ファックス』のような“カワイイ”と“ファニー”“パンク”を掛け合わせた個性の強いブランドの存在は際立って見える」と語っていた。