グウィネス・パルトロウの「グープ」が六本木に “ヘルスコンシャス”な彼女が掲げる3つの掟
米女優のグウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)が手掛けるライフスタイルブランド「グープ(GOOP)」は5月26日まで六本木の東京ミッドタウンにあるミッドタウン・ガーデンでポップアップショップ「グープ トウキョウ ポップアップ&カフェ(goop TOKYO pop-up & cafe)」をオープンしている。オリジナルのウエアや化粧品の販売に加え、世界初の「グープ カフェ」も併設し、グルテンフリーやビーガンのメニューを多くそろえている。
「グープ」はグウィネスが2008年に立ち上げたブログから始まり、食やビューティ、ウエルネスなどライフスタイル全般のコンテンツを発信している。“ヘルスコンシャス”として知られるグウィネスならではのヘルシーなレシピや健康に関する記事が話題を集め、現在ニュースレターの購読者は世界で9000万人いる。16年にオーガニックのスキンケアラインを立ち上げ、現在はオリジナルアパレルブランドである「G.レーベル(G.LABEL)」や「G.スポーツ(G.SPORT)」のほか、ホームウエアやヨガウエアなど幅広い用途のアイテムを取り扱う。18年の売り上げは前年の2倍以上とブランドも大きく成長し、旗艦店はロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、モンテシートに計4店を構え、ポップアップは過去20カ所以上で行ってきた。
今回のポップアップで日本初上陸を果たした「グープ」について、来日したグウィネスにインタビューをした。
「グープ」を立ち上げた理由は?
グウィネス・パルトロウ(以下、グウィネス):08年に「グープ」を立ち上げた頃は、まだインターネットも今ほど発達していなかった。昔から旅行をしたり料理をすることが大好きで、同時にウエルネスにも興味があった。だけどいざネットでヘルシーなレシピやトラベルスポットを探そうとしても、なかなか自分好みのものが見つからなかったことが多かったの。だから気に入ったヘルシーなレシピや旅行先などで出合った料理やレストラン、スポットなどは全てメモしていた。いろいろとメモしていくうちに、この情報を求めている人は多いのでは?と気づき、ブログを始めたの。仕事で世界中を飛び回る中で、実際友人からも「東京に行ったらどこの寿司屋に行くべき?」「スペインでオススメのサロンを教えてほしい」など、毎日のように質問があったからよかったわ。世界中の人と人、アイデアとアイデアをつなげたいという思いで始めたのよ。
立ち上げからブランドはどのように成長した?
最初の5年は記事やコンテンツをアップするだけだったけど、読者が増えるにつれビジネスになると思って、マネタイズ(収益化)するようになった。ブランドとタイアップしてコンテンツを出したり、オリジナルブランドでウエアや化粧品を発売したり。当初はここまでグローバルに成長するとは思いもしなかったわ。
ポップアップに東京を選んだ理由は?
東京は世界のスタイルとカルチャーの最先端を走っている。アメリカ国外への進出は今のところロンドンのみで、アジアでも「グープ」が受け入れられるのかどうかを試す場所として東京は最適だと思ったの。すでに多くの方が来場してくださり、とてもうれしいわ。
世界初のカフェを出店した。
アメリカでは10年以上続いているブランドとして認知度は高いけど、日本ではまだまだ知らない人も多い。食は立ち上げ当時からコンテンツの大きな柱。「グープ」といえば、ヘルシーでありながらおしゃれなメニューを届けているというイメージを持っている人が多い。だからブランドのアイデンティティーの一部になっている食にフォーカスできたら、ブランドをしっかり理解してもらえるし、面白くてアプローチしやすいと思った。昨日カフェに寄ってきたけれど、実際に自分のメニューを東京で食べたのは不思議な感覚だったわ(笑)!
グウィネスさんはヘルシーなライフスタイルで知られているが、昔からそうだったのか?
そんなことないわ。20代のときはソーダをたくさん飲んだし、タバコも吸った。だけど26歳の時に父親にがんが見つかり、食や生活全般に対する考え方が変わったわ。ヘルシーな食生活が健康にどう関わるのかを、真剣に考えるようになったの。そこで栄養学などについて学び始めた。クリーンな食だけでなく、瞑想をしたり、体と向き合うようにしたら、体や気分がみるみる変わっていくことを実感したわ。重要なのは、ストイックになりすぎないことね。ダイエットや健康的な生活に関して厳しくなりすぎる人が多いけど、人生は楽しむものでしょ?たまにはお酒だって飲んでいいし、甘いものも食べていい。痩せたい人もいれば、食生活を見直したい人もいれば、人それぞれゴールは違うから、自分のペースで楽しみながらヘルシーな生活を送ればいいのよ。
健康に関する掟は?
まずは自分のことを愛せるようになること。そして自分の体に優しくあること。特に女性は「痩せなきゃ」「もっときれいにならなきゃ」とネガティブなことを考えたり、他の人と比べてしまいがちだけど、そういったことを気にしないようになることが一番のウエルネスかもしれない。もちろん簡単なことではないけれど、自分を受け入れることが大事ね。その次に自分の体と向き合うこと。ただゆっくりと呼吸するだけでもいいわ。最後に、自分に“栄養”を与えることね。私は食べることが大好きだから、よい食事で栄養を与えているけれど、好きなことに没頭したりと、その方法は人それぞれでいいと思う。
美のこだわりは?
夜のスキンケアルーティンは、まずクレンジングバームでしっかりメイクを落とすことから始まるの。その後にマスクで古い角質を取り除き、クリームでたっぷり保湿すること。ローズクォーツのフェイスローラーも愛用品で、毎日顔にたまる老廃物を流しているの。あとはオーガニックなオイルで顔だけでなく髪の毛も保湿しているわ。飛行機に乗るときもこのオイルは必ず持っていくのよ。
日本文化から健康へのインスピレーションを受けることはある?
もちろんよ!もともと栄養学を学び始めた時に、和食の素晴らしさを知ったの。20年以上も和食を食べ続けているから、私の食生活に欠かせない一部。子どもは味噌汁が大好きで、よく作るわ。あとはニンジンとショウガのドレッシングも作るし、緑茶はアメリカではやる前から30年以上飲み続けている。私はウニが大好きで、今回の来日でも本当に美味しい寿司を食べたわ!
「グープ」の今後の展望は?
いつかは日本にも旗艦店をオープンしたいわ!今回のポップアップを機にそれがかなったら夢のようね。今後も引き続きすばらしいコンテンツと製品を世界中の皆さんに届けるわ。